近藤喜文の仕事-動画で表現できること-
2000年1月31日初版発行 徳間書店スタジオジブリ事業本部 3800円+税 ISBNコードなし
近藤喜文さんの残した仕事をなんとか後世に伝えようと製作されたものです。記憶では通販のみで書店販売は無かったように思います。
たくさんのスケッチや原画、動画を掲載して、近藤さんの仕事を伝えてくれます。
はじめに
1998年1月21日 、我々は偉大なアニメーターを失った。
彼はアニメーションの先駆者でもないし、革命児でもない。まして異端児とは程遠い存在であった。
むしろ革命児や異端児がセンセーションを起こすのを横目で見ながら、時には真似たり、
自分の中に彼らの技巧を取り込むなどして、静かにそして厳しくアニメーションに取り組んでいた人物だった。
彼は自分が携わることになった作品に必要なものが何かを見つめ、それを具現化するための研究や挑戦を重ねながら、
作品を見る人にとって受け入れやすい形で表現してみせることをなにより大事にしていた。
彼は、一流の技術者であり、職業人であり、そして何よりも観察、研究に力を注いでいた表現者であったといえる。
今、アニメーターを職業とする人、アニメーターを志す人に、そんな彼の仕事を見つめ直してほしいと思う。
彼の仕事に取り組む姿勢と眼差しと、その苦悩を。
そして、彼の仕事そのものを。
---「近藤喜文の仕事」を。
安藤雅司
アニメーター近藤喜文の誕生
「草原の子テングリ」
「未来少年コナン」
「近ちゃんは、マンガ的なものと文学性を持ち合わせていた」大塚康生
開花しはじめる才能
「赤毛のアン」
「それまでとは違う新しいスタイルに挑戦した『アン』」高畑勲・近藤喜文・中島順三座談会より
アニメーターとしての野心と後進への思い
「トム・ソーヤーの冒険」
「近藤さんと一緒に作品を作っていくのはすごく楽しかった」 砂糖好春・保田夏代 他
野心実現への挑戦
「名探偵ホームズ」
大いなる挫折
「リトル・ニモ」
挫折からの出発
「リトル・ニモ」
「愛少女 ポリアンナ物語」
「愛の若草物語」
「近藤さんが描くとなんでも上品になった」 田中敦子・友永和秀
洗練されていった技術
「火垂るの墓」
自信にあふれる確かな筆致
「火垂るの墓」
「おもひでぽろぽろ」
タエ子の顔のいわゆる「しわ」について 高畑勲
「絵描きの要素を持ち合わせたアニメーター」 百瀬義行
「人間の顔の微妙な曲面と必死に取り組んだ日々」 近藤喜文インタビューより
作品を大きく揺り動かす力
「魔女の宅急便」
初演出への挑戦
「そらいろのたね」
「耳をすませば」
「彼はまだそこら辺にいるんです」 宮崎駿
「紅の豚」
「海がきこえる」
「平成狸合戦ぽんぽこ」
「もののけ姫」
近藤喜文フィルモグラフィー
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