This is Animation 耳をすませば

1995年10月1日初版 小学館 850円 雑誌65285−61


この本は、いわゆる絵本です。幼稚園というより小学生低学年〜に会わせたような書き方になっています。
たくさんの場面が載せられており、また印象に残る絵が載せられています。
エンディングのなかでの、夕子と杉村が良い雰囲気になっている絵も特徴的に載せられています

 

もくじ

図書カードの名まえ
コンクリート・ロード
やなヤツ やなヤツ・・・・・・
猫を追いかけて・・・
地球屋・バロンとの出会い
それぞれの想い
再会
ヴァイオリン工房
男の子・女の子
決めた! わたしの物語を書く
鉱脈を探す旅
迷いの森
バロンのくれた物語
夜明け

近藤喜文監督の言葉

 この「耳をすませば」というアニメーション作品は、柊あおいさんが雑誌「りぼん」に描いた少女マンガが原作になっています。このマンガを読んだ宮崎駿さんが「これは、アニメーション映画になりうる」と考えて映画化を決め、私に「監督をやらないか」と声をかけてくれたのです。宮崎さんは、プロデュース・脚本・絵コンテを担当しました。

 原作には、ピュアでさわやかな部分がいっぱい入っています。雫と聖司と、ふたりの出会いも新鮮でした。図書館の貸出しカードがきっかけになるなんて、コンピュータ化が進んだ現在では、なかなか起こりにくいことでしょうが、でも、「もしかしたら、こんなこともあるかな?」と思えてくるような楽しさです。

 このように、原作は中学生の純な恋を描いた、とても少女マンガらしい作品なのですが、映画化にあたり、私たちは大きな組み替えもおこなっています。子供から大人への成長、自立、将来の選択などについて、「こうやって生きられたらいいなあ」と思えるような部分をいろいろ取り入れているのです。また、雫や聖司がフィルムでどんな表情をし、どんな動きを見せるのかは、アニメーションですから、すべて私たちが新たに作り出さなければなりません。私は以前から、思春期の少年少女のお話をやってみたいとずっと考えてきましたが、今回この作品を作るにあたって、今を生きる主人公たちの成長する姿をありのままに描けたら、と思いながら監督をしました。

 みなさんの多くは、これから青春を迎えようとしている人でしょう。いま真っ盛りの人もいるかもしれません。その中には、受験や進路などいろんな問題を抱えていて、悩んでいる人もいるでしょう。この作品が、そんな人たちの励ましになれば、と思います。そして、雫や聖司のように自分に素直になって、「自分のやりたいこと、やれることは、何だろう。自分は、どう生きようと思っているのだろう」と考えてもらえたら、大変嬉しいことです。


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(C) Ryoukan